DVD
スナップ写真は、
その出来事からある程度時間が経ってから
現像して見る事にしている。
実際に目の前で見たり感じたりしたことが
あまりに鮮烈すぎて、
自分が撮った素人スナップ写真なんかは
かなり貧相に思えてしまうからだ。
そんな素人スナップ写真たちも、
少し時間をおいて眺めると、
様々な感情とともに
鮮やかによみがえることがある。
鮮やかによみがえる、というよりは
鮮やかに脚色される、という方が当たっている。
近頃では、もっぱらDVDの利用が多くなってきた。
写真は時間が経ってから、と決め込んでいたが、
DVDではどうなのだろう。
DVDは写真と違って、
動画だし、音声もついている。
そこに記録されているのは、
実際に目の前で体験した事実にかぎりなく近い。
だから、
ある程度時間を隔ててDVDを見たとしても、
写真ほど「脚色」が進むことはない。
そう思っていた。今日までは。
今日、とあるDVDを視聴した。
ステージにみんなが映っていた。
笑顔や真剣な表情が画面に流れ、
歌声がはずむ。
少し時間をおいて眺めたDVDは、
様々な感情とともに
鮮やかに脚色されてよみがえってきた。
スナップ写真は、
その出来事からある程度時間が経ってから見る事にしていたが、
DVDもそうしようと思う。… 続きを読む...
卒業式モード
昨日からの突然の冷え込みと、
思いがけない降雪&積雪で、
今朝の体育館の空気はピンと張りつめていた。
そんな中、
今日から、卒業式の全体練習が始まった。
椅子をもって体育館に規則正しく整列し、
指導の先生の一言一言に注意を払い、
おなかの底から大きな声を響かせた。
「おめでとうございます」
「ありがとうございました」
そんな、たった数文字の、
しかも、同じ言葉を
何度も繰り返して練習した。
国歌、
校歌、
そんな、いつも歌いなれた、
しかも、短い歌を数小節ごとに区切って
何度も繰り返して練習した。
寒い中、子どもたちがよくがんばるこんな光景は、
学校では、毎年のように
繰り返されてきた。
どんなに社会が便利に効率的に変わろうとも。
たった数文字を繰り返す練習に生産性は少ないのかもしれない。
1分前後の歌を数十分繰り返す練習は費用対効果の考えから外れることかもしれない。
今どき、暖房がほとんど効いていない施設に長時間いるなんてことも多くはないはずだ。
しかし、教育という営みには、
そんなことだけでは片付けられない何かがある。
あまり先回りしすぎない方がいい。
みんなで見据えていたことは、
卒業式を卒業生にとっても自分たちにとっても
よりよいものにするということ。
あの張りつめた空気の中で、
同じ言葉を、短い歌を、長時間練習することは、
そのためには必要なものなのかもしれない。
気がつけば、あっという間に
2時間目の授業が終わりに近づいていた。
明日もまた、張りつめた空気の中で練習を繰り返す。
いわば、それが、卒業式モード。… 続きを読む...
こつこつ貯金
はじめまして、トラ店長です。
このたびは、
3の1銀行に通帳を作っていただき
ありがとうございます。
それでは、「こつこつ貯金」の説明をいたします。
(まず、宿題が終わって。。。)
自分のための自主学習に取り組みましょう。
10分で1M、
20分で2M貯金できます。
(今のところは、30分、40分しても最大2Mまでとします。)
(時間競争になって、就寝時間が遅くなるようなことは避けたのです。)
とりあえず、この1週間は、
1Mでも2Mでもとにかく続けること!
を目標にします。
また、今のところは、
本日配布のテキストを一日最大2ページまでとします。
(どんどん進んでいくことも大切ですが、
ゆっくり見直すこと、
じっくり確かめること、
ていねいな字で集中すること、
詳しくポイントも書き入れること、
など、学習への取り組み方を大切にしたいのです。)
2ページだったら5分でできる!という人もいるかもしれません。
採点や確認をじっくり行い、
大事なことは、メモを書き入れ、
漢字の書き順なども付け加えていくとよいでしょう。
どんどんテキストに書き込み、
自分のための自主学習に取り組んでいきましょう。
トラ店長より… 続きを読む...
涙のリクエスト
今日は、体育のティーボール大会の
実質の最終戦。
そのせいもあってか、
みんなのボルテージは最高潮に。
勝敗が決する微妙なプレーに、
みんなが熱くならないはずがなかった。
そして、あちこちで
「涙のリクエスト」となってしまった。。。
一つは、
打球が担任に当たり、
そのせいで、1・2塁間でタッチアウトになった場面。
その打球は、あきらかにランニングHR性の当たりだったのに、
バッターは、アウトとなり、泣く泣くベンチに。
その姿をみたみんなは、
その「涙のリクエスト」を汲んで
あの「やり直しルール」を適用した。
ある意味では、友情や思いやりの発揮だった。
ところが、
「やり直し」後のプレーにより、
大量点が追加された。
すると今度は、
さっきの「やり直し」そのものを「やり直し」すべきだ、
という「涙のリクエスト」をし始めたのだ。
どちらにも言い分があり、
両方の「涙のリクエスト」に応えたいと誰もが思った。
同時に、
もう一方のコートでもある事件が勃発していた。
それは、
ホームに戻ってきた逆転のランナーが、
ホームベースを踏んでいなかったのではないか、という
相手チームからの「涙のリクエスト」だった。
ランナーの当事者は、もちろん「踏んだ」という。
また、仲間の選手たちも
「これまでは、ベースを踏まなくても
その位置に達したらセーフでよかったじゃないか」と主張しながら
「涙のリクエスト」をし始めた。
やはり、どちらにも言い分があり、
両方の「涙のリクエスト」に応えたいと誰もが思った。
そのうち、
誰かが一方的に責められることに耐えられない!と、
友の痛みを我が身の痛みとして涙を流す子たちも出てきた。
こういうときの特効薬というのはない。
あるとすれば、
一人一人の思いを収めてやることくらいだ、
ということは、かつて、みんなに教えてもらったこと。
給食前にその場を設ける。
一人一人が様々な思いを話し
一人一人がそれらを真剣に聞きあう内に、
みんなの表情が軽くなっていくのがわかり、
ほっとする。
黒板は、今日も、
みんなの見た事実とみんなが抱いた思いとでぎっしりと埋まる。
授業後、
ある子がポツリと話してくれた。
「先生、自分って、すごく悪い人のように思う。
だって、自分のことしか考えてなくて、
相手のチームの人が悪いってばかり思ってたから。
でも、みんなは、相手のチームの人のことも考えていた。
自分が不利になってもいいっていう人までいた。
自分って、すごく悪いよ。」
担任は、それに返す言葉が見つからなかった。
この子は、あの時、
担任に、どんな返答を
リクエストしていたのだろうか。
… 続きを読む...
2枚の賞状
放課後の教室の黒板に、ふと、
2枚の手書きの賞状を見つけた。
その文面にグッとくる。
実は、今日の昼には、
バンクーバーオリンピックの女子フィギュアの熱戦の他に、
もう一つ、熱戦があったのだ。
それは、3年生フットサル大会。
給食を終え、クラス全員が体育館に集まった。
結果、3の1は、同点の末、PK戦で敗北。
勝敗が決すると、みんなは、
落胆する選手たちのまわりに駆け寄り、選手たちに励ましの声をかけた。
一方、選手たちは、とりわけ女子選手たちは、目を真っ赤にして泣いた。
選手たちの表情には、
負けた事へのくやしさや、
応援に応えられなかったことのふがいなさや、
励ましの声に対する感謝など、
いろんな感情が見て取れた。
そんな選手たちを囲むようにしてみんなは教室に戻った。
教室でも、女子たちの感情はとめどなくあふれてきていた。
涙がとまらないのだ。
そんな仲間への励ましの声も、やはり止むことはなかった。
誰のせいでもないよ。。。
がんばったことが大事なんだよ。。。
負けた今の方が団結が深まったよ。。。
それでもなお、涙は止まらなかった。
仲間たちの言葉が、たまらなくうれしいと思う気持ちと、
「なんで泣いているの?」と事情がわからない周囲の人とのギャップなどが
彼女たちの涙腺をさらに刺激していた。
やがて、掃除の時間になる。
まだ涙は止まらなかった。
担任は、そんな子供たちに
「掃除に行こう」と声をかけた。
掃除からもどって、5限の図工で版画に向かわなければならない時間になる。
まだ感情は高ぶっていた。
担任は、教室でなぐさめ合う子供たちに
「図工室に行こう」と、また、声をかけた。
「掃除の時間です」「図工の時間です」と
杓子定規にしか声をかけられない担任の無能さを痛感する。
時間は過ぎ、
帰りの会を終え、
みんなが下校していった。
その時だった。
放課後の教室の黒板に、ふと、
2枚の手書きの賞状が目に入った。
1枚目の賞状にはこう書いてあった。
「フットサル大会に出た人たちは、
わたしたち3の1のために全りょくをつくしてくれました。
よってこれをしょうします。
3の1より」
もう1枚の賞状にはこう書いてあった。
「かてなくてごめん。
おうえん、ありがとうございます。
勇気が出たよ。
せんしゅいちどう」
フットサル大会で負けた3の1は
大きなものを手に入れていた。… 続きを読む...
200字
これからの日記は、2サイクル限定で
あえて、段落構成をやや意識したものにシフトする。
字数は200字で、
1段落目は主に事実を、
2段落目は主に思ったことや考えたことを書く。
簡単そうだが、なかなか難しい。
例えば、
「今日は、休み時間にみんなで縄跳びの競争をしてとっても楽しかったです。
いつもより二重跳びがたくさんできたのでまたしたいです。」
などのように、
事実と思ったことが同じ文章に入ってしまうようなパターンがよくある。
また、例えば、
「今日は、休み時間に縄跳びをしました。
みんなで集まって競走しました。
いつもより、二重跳びがたくさんできました。
とっても楽しかったです。」
などのように、
1段落の事実の分量が多い割りに、
2段落の思ったことがあっさり終わってしまうようなパターンもよくある。
簡単そうだが、なかなか難しいのは、
何も子どもだけの話ではない。
担任としても、
国語の「関心・意欲・態度」「話す・聞く」「読む」「書く」「知識・技能」の視点から言えば、
「書く」力を高める指導は、
「関心・意欲・態度」を高める指導に次いで難しいとよく思う。
そこで、これから2サイクルの日記は、
あえて
段落構成をやや意識したものにシフトする。
もちろん、「書く」力は、
書くことだけによって高めることができるわけではない。
よく話したり、よく聞いたり、よく伝えたり、よく感じたりすることと
共にスパイラルで高まるもの。
200字によって繰り広げられる話の展開を
毎日、楽しみにしている。
… 続きを読む...
あの日に帰りたい
♪青春の〜後ろ姿を〜
人はみな〜忘れてしまう〜♪
そんな名曲をつい口ずさんでしまうような午後。
今日は、みんな
低学年に戻したい。。。(じゃない)、
低学年に戻りたい。。。そう思ったに違いない。
それは、
先日、モニターとして搬入された木の遊具で遊んでいたときのこと。
1つの遊具は、大きな木の株をくりぬいたようなトンネル状のもの。
もう1つの遊具は、木製の楽器や乗り物。
低学年専用として活用されてきたが、
せっかくだから3年生にも使ってみてもらいたい、
ということで、今日、
学級活動の時間の半分を割いて、
低学年フロアーへとみんなで出かけた。
使用の約束を確認し、さっそくお試し。
頭初は、3年生にはちょっと物足りないかな、と心配したが、
思いの外、みんなは夢中になった。
1つめの木のトンネルでは、
ただ、中をくぐるだけ。。。と思っていたが、
子どもはそうではなかった。
中でねそべってみたり、
みんなで並んで仰向けになって語り合ったり、
大声を響かせてみたり、
木の株にジャンプして抱きついたり、
次々と楽しみ方を編み出していくみんな。
もう1つの木の楽器や乗り物でも同様だった。
子どもは遊びの天才である。
そこで夢中になっていた子どもたちは、
口々にこういった。
「あ〜あ、低学年に戻りたい。。。」と。
そんな姿を見たり、
その言葉を聞いたりしながら、
担任は、やはり
♪あの頃の私に〜もどって〜
あなた〜に〜会いたい〜♪
と、あの名曲を頭の中に巡らせていた。
そして、そんなみんなを、
「低学年に戻したい。。。」じゃない、
「低学年に戻してあげたい。。。」
そう思っていた20分間だった。
♪青春の〜後ろ姿を〜
人はみな〜忘れてしまう〜♪
♪あの頃の私に〜もどって〜
あなた〜に〜会いたい〜♪
(なんだか今日は、この曲ばかりリフレイン)
… 続きを読む...
ギブアップ
バンクーバーオリンピック、カーリング種目。
3勝3敗同士、4位同士が、
決勝の4位残留をめざす試合。
誰もがその経過に注目していた。
結果、日本チームはギブアップで敗北。
朝の会の終わりに、1,2分だけテレビ観戦したが、
それは偶然、そのギブアップの瞬間だった。
ギブアップと聞くと、
あきらめとか、
歴然とした力の差とか、
そういうことをつい連想してしまう。
学校では、
最後まであきらめないとか、
大逆転のドリームを持ち続けるとか、
そういうことをいつも語りかけているのに。
しかし、
その時のアナウンサーの言葉が
今日の大きな学びの一つとなった。
日本チームのギブアップには、
相手の力を認める美しさだとか
自分たちの全力を出し切ることの尊さだとか
互いの善戦をたたえ合う精神だとか、
そういう意味があるのだという。
わずか、1,2分の視聴だったが、
担任の未熟な授業より
濃い時間だったと言わざるを得ない。
勝っても負けても、やっぱり、
オリンピックは偉大なる教材である。
… 続きを読む...
もう1回
今週は避難訓練週間。
今回は、休み時間中に火災が発生するという設定。
通常の授業中の設定の場合とは
異なる約束事がいくつかある。
教室にいた場合、廊下にいた場合、図書室にいた場合など、
それぞれのケースに応じた避難経路を選択し、
正しく、迅速に避難しなければならない。
また、
友達といた場合、上級生といた場合、自分がその場で最上級生だった場合など、
それぞれのケースに応じて上級生の指示に従ったり、
反対に、自分が指示を出してまとめたりしなければならない。
今日は、その避難訓練の練習(?)をした。
まず、それぞれが、思い思いの場所に散らばった。
ある時刻を合図に、
それぞれの場所から、
「おさない」「走らない」「しゃべらない」の鉄則を守って
無事、体育館まで避難した。
とりわけ、
初めに集まってきた人の中で、
番号の若い人が手を挙げて整列させていく、
という約束も上手に実行していた。
避難が完了すると、
「先生、もう1回しようよ」との声。
みんなでもっと改善したいことを確認し、
もう1回、となった。
話はかわって、
午後の授業中。
時計の針は2:15を指していた。
そう言えば、今日は2月22日。
あと数分で、
平成22年2月22日2:22となる。
授業中ではあったが、
その1分ほど前から、みんなでその一秒に身構えた。
19… 続きを読む...