しらせ大学(vol.47)
毎週金曜日はカレーの日。
今日のカレーには、鳥の唐揚げ2個とウインナーに目玉焼きまでついて、
しかも、デザートはスイカ。
お腹いっぱい食べ過ぎないように気をつけて配膳。
午後からは、しらせ大学が開校した。
隊員代表が務める“学長”の訓示のあと、隊長、艦長の祝辞をいただく。
なかなか本格的な、でも、どことなくコミカルなしつらえ。
ただ、講義内容は日本屈指の研究者によるものばかりなので筋金入り。
初日は以下の2つの講義。
「南極昭和基地大型大気レーダー(PANSY)」(宙空圏担当T隊員)
「昭和基地の気象」(気象担当A隊員)
これはお腹いっぱい吸収できるよう気をつけて拝聴。“… 続きを読む...
ザトウクジラ(vol.46)
今日の海洋観測は、
みんな白い息をはきながらの作業となった。
背後には、大小さまざまな氷山が浮かんでいるのが見える。
気温は、ほぼ0℃、海水温はマイナス0.2℃。
水温が下がるにつれて
ノルパックネットにヒットする生物の数は
不思議と増えてくる。
実は、南極海の生態系は
他の温暖な海の生態系と比べて生物量が豊かだと言われている。
その中でも鍵となっているのがオキアミ。
そのオキアミを追ってきたのか、
今日は、クジラが数頭確認された。
ひれの特徴から、ザトウクジラだと教えてもらった。
ゆったりと泳ぎ、豪快に潮を吹くクジラ。
夏の南極海を回遊するクジラたちの
雄大な生き様を見た感じ。“… 続きを読む...
南緯55°(vol.45)
今日、12月5日午前5時55分、南緯55°を通過した。
ここから南極圏となる。
気温は3℃、水温は2.5℃。
この3日間で、
気温は、12℃→7℃→3℃、
水温は、10℃→6℃→2.5℃とぐんぐん下がってきた。
午前9:00頃、海洋観測に取り組んでいるわたしたちの横を
ペンギンたちが泳ぐ姿が確認された。
マカロニペンギンという種類だそうだ。
彼らはまるで南緯55°という南極圏の境目を知り尽くしているかのようだ。
さて、私たちの圏内突入をお祝いしてくれたのか。
それとも、突然の珍客を見物にきたのか。
ペンギンさん、しばらくの間ちょっとお邪魔しますね。
速報!
たった今(12月5日16:30)、初氷山が確認された。
カメラを手に船の右舷に出る。
かすかに霞がかかる中で、それは確かに青く光っていた。
あまりの美しさに、途中でカメラをのぞくのをやめた。
大海原に青く浮かんだ氷山が、
美しい地球のtear dropになりませんように。“… 続きを読む...
海洋観測初日
しらせは、南緯40度付近を通過した模様。
今日の天気は曇り・晴れ。気温は12℃くらい。(正確な情報ではない。)
今日から海洋観測が実施される。
ヘルメット、ライフジャケット、安全帯等の着用と
作業開始時と終了時の人員点呼は厳しく行われる。
私の担当は、海中に投入したセンサーの支持。
センサーは船内のパソコンとつながっていて、
随時直接データを回収するしくみ。
その他、各深度から採水したものを容器に入れ替えたり、
プランクトンネットの中の微生物たちを回収したりした。
採取したびんの中をのぞくと、
そこには、透き通った体をした妖精たちが
あちこち泳いでいるのが見えた。
大海原の中の小さな住人たちとここで出会えたことはまるで奇跡。
ここまで約2時間の作業。
機材は真水で洗浄し、明日からの測定に備えておく。
夜、採取されたプランクトンの顕微鏡写真が
食堂(観測隊公室)に掲示された。“… 続きを読む...