理科。
今日は影のでき方について。
影のでき方は知っているよ、とみんな。
太陽があればいいよ。
太陽でなくても電気が当たればいいよ。
光の反対側にできるよ。
光をじゃまするものも必要だよ。
さっそく、外に出て、影を作る。
まずは、影絵遊び。
太陽を背にしながら、
それぞれ指で影絵を作る。
イヌ、ハト、カエル、目の玉、ハート型。。。
地面をキャンパスに、様々な影絵ができた。
続いて、影踏み遊び。
みんなで中庭を駆け回った。
鬼になった二人はなかなか影を踏めないで悪戦苦闘。
それもそのはず。
時間はお昼の12時をちょうど回ったころだった。
太陽高度が高く、みんなの影は短かったのだ。
一汗かいたところで、
今度は、ラインカーでいろんな影の淵ををなぞる。
樹木の影や、
ジャングルジムの影や、
電信柱の影を、
次々とラインカーでなぞっていった。
あっと言う間に、
中庭には、意味不明な白い線があちこちにできた。
そこで1回目の理科の時間が終わった。
給食を食べ、昼休みを過ごし、掃除を終えた5時間目。
みんなは2階のベランダに出て、
上から、先ほど描いた意味不明な白線を眺めた。
見事に、白線と影とがズレていた。
あれ?線が動いたのかなあ。
そんなはずはないよ。
影が動いたんだよ。
地球が回っているからだよ。
太陽と地球の位置が違ったからだよ。
中でも、電信柱の影が大きくズレていることに
みんなはおどろいた。
影のちょうど反対側に太陽があることも確認した。
そこで、ある子がつぶやく。
この影は、まるで時計の針みたいだね。
みんなは、その声の意味がすぐにわかった。
それは巨大な日時計になっていたのだった。
だったら、帰りの会が終わった頃には、
もっとこっち(3時の方向)に影が動いているはずだ!
先生、あとで見に来ようよ。
そう約束して教室に戻った。
帰りの会が終わり、
下校する子供たちの数名が、
「日時計」を見に集まった。
わあ、すごい、影がこんなに動いている!
あ〜あ、私、動いているところが見たかったなあ。。。
うん、私も、動いているところが見たかった。
影が動くところを見ることができないのに、
影は確実に動いている。
影は常に止まることなく動いているはずなのに、
影が動いていることを実感する機会のなんと少ないことか。
あ〜あ、私、動いているところが見たかったなあ。。。
なんて素敵な言葉だろう。
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