CPR

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの16回目。
(写真は54次隊のときのもの)

55次隊の海洋観測はきっと順調に進んでいることと思う。

今日の観測で、
このCPRを扱った隊員は誰だったろうか。


CPRというのは、連続プランクトン採集装置とでもいうべきもの。
形は、魚そっくりだ。
口の部分から海水を取り込み、
おなかの部分にセットされているフィルターでキャッチし、
水だけを外に流していく仕組みになっている。
この装置をしらせで曳航しながら、
プランクトンを次々と採集していくのだ。

形が、魚のような形をしているのは、
きっと、じょうずに海中で動いてくれるようにと、
工夫された結果なのだろう。

とりわけおもしろいのは、
フィルターはサランラップのようなロール状になっていて、
しっぽの部分につけられたプロペラが回ることで一緒に巻き取られていく、という点。
船がゆっくりと動いているときには、フィルターもゆっくりと巻き取られ、
船が速く動いているときは、フィルターも早く巻き取られていく。
電源や、精密なしくみなどはない。
至ってシンプルである。

南極までの海洋観測では、
今年もきっとこのCPRが活躍していることだろう。”… 続きを読む...

ノルパックネット

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの15回目。
(写真は54次隊のときのもの)

南極までの海洋観測の代表格といえば、
ノルパックネットによるプランクトンの採集。

この大型の網は、
目的に応じて口径や目合いが変わる。
船を留めてから作業を開始し、
ウインチを使って海底に沈ませ、
一定の時間をおいてから再びウインチで引き上げるのだ。

ここでは、船を操縦する航海士さんたちと、
ウインチを扱う海上自衛隊員たちが、
トランシーバーで綿密に連絡を取り合いながら作業を行う。
その絶妙な連係プレーに感心させられたものだ。


ネットが引き上げられると、
そこからはいよいよ観測隊の出番となる。
引き上げたネットに海水をかけながら採集したプランクトンを集め、
最後に濃縮ジュースのように溜まったサンプルを
瓶の中に入れていく。

瓶に入ったサンプルは、
すぐに4観と言われる観測室に運び込まれ
肉眼で観察したのち、
ホルマリンで固定される。

54次の往路では、
写真のような晴れた日は、
おそらく3〜4日ほどしかなかったと記憶しているが、
55次隊ではいかがだろうか。”… 続きを読む...

XCTD

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの15回目。
(写真は54次隊のときのもの)

南極までの海洋観測は、おおよそこんな感じ。


まずは、XCTDといわれる装置を使った観測。
水温や電気伝導度などを検出するする部分を海洋に投下すると、
センサー部分で感知されたデータが
船上のパソコンに直接送られてくるシステムになっている。
写真は、これからそのセンサーを投下するときの様子だが、
この後、すぐに観測室にもどってみると、
水温や塩分などの鉛直分布がもうモニターに映し出されているのである。

この測器は、船舶が航行中でも使用できるため、
毎朝の停船観測時のほか、昼や、真夜中の定時にも投下している。

ただし、
ということは、
毎日、昼夜を問わず観測室に詰めている隊員がいる、
ということでもある。
海洋を専門とする隊員たちの苦労は
同行していた隊員たちですら、
計り知れない。

55次隊の海洋観測には、
54次隊で行動をともにした仲間が
再度、参加しているはずだけれど、
また、観測室の一角にお茶のみcafeでも開きながら
みんながふらっと立ち寄ってくれるのを
待ってるのかな?”… 続きを読む...