ゴムボート作戦
第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの57回目。
(写真は54次隊のときのもの)
その頃、対岸では二人乗りのゴムボートの
組み立てが始まっていた。
まさか、池に浮かべて漕ぐのか?
と思った方も多いと思うが、
その、まさか、である。
ボートでなければならないわけは主に2つある。
一つは、今回の最大の目的である
コケボウズを採集するため。
この写真の装置を
池の中央から底にむかってまっすぐに沈め、
コケボウズをキャッチして
再び引き上げるという作戦だ。
もう一つは、もしかしたらこの池に
他にもまだ見つかっていないような小さな生物が
いるかもしれないという知的好奇心を確かめるため。
ボートにネットをくくりつけて、
あとはそれを引っ張りながら
縦横無尽に漕いで、漕いで、また漕ぐ、という作戦だ。
その時間、なんと2時間。
この池に向かった6名の隊員が
20分交代でボートに乗船した。
途中、あるトラブルもあり、
さらに1時間ほど追加となったのも今ではいい思い出か。
それだけしても、
あいにくプランクトンネットの網にかかるような生物は
視認できなかった。”