コケボウズの住む池

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの56回目。
(写真は54次隊のときのもの)

スカルブスネスにはたくさんの池がある。
その池の底には、謎の生物が住んでいることがわかっている。
その名もコケボウズ。


この日、私たちはその池を目指した。
背中の背負子にそれぞれ15〜20kgの機材をくくりつけ、
片道約2時間の山を登ったところにその池はあった。
ここまでずっと見える景色はさほど変わらなかったが、
不思議と、いつまで見ていても
飽きることがなかった。


池に到着するとさっそく池の周辺に沿って歩いてみる。
中に足を踏み入れることができそうな浅瀬を見つけると、
ひとまずそこから土壌を採取することになった。
ちょうと真正面には、あのシェッゲの姿があった。
こうして離れて見てみると、
その切り立った様子が一段とよくわかった。


池の水はとても澄んでいた。
浅瀬はもちろん、深いところでも
底までしっかり見えてプールのようだった。
しかし、そのことはこの池が極度の貧栄養であることを物語っている。
生物にとっては生きにくい環境だということは
誰の目にも明らかだった。

それでも、もしかしたら
バクテリアとかマイクロプランクトンの仲間がいるかもしれない、
と期待しつつ、生物チームのリーダーが
静かに採集を始めた。”