ミッション開始

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの30回目。
(写真は54次隊のときのもの)

昭和基地では、いくつものミッションが
同時に行われていく。
55次隊ではどのような計画が実行されるのだろうか。


どんな作業であれ、安全第一。
毎朝、一夏前の広場で行うラジオ体操は、
隊員たちの体と心ほぐしに一役かっていた。
日がたつにつれ、隊員たちには疲労が蓄積していくのだが、
自分の体調のチェックの時間ともなった。
個人的には、筋肉痛が残っているなあ。。。と思うことしばしば。


それが終わると、設営系隊員の代表から、
その日の作業内容と留意点が伝えられる。
「○○では、今日は重機を使う作業が入るので、周囲の者は注意すること。」
「△△では、資材の搬入が中心、単純作業なので集中して行う。」などなど。
最後に、互いに向かい合って相互点検。
「ヘルメットよ〜し!、服装よ〜し!、足下よ〜し!」


54次隊では、まず「デルタアンテナの建設」
というミッションを急ピッチで行った。
中心となるアンテナの支柱は40Mにもなる。
そのため、そのまわりに数本のポールを立て、
ワイヤーで支持することが必要となる。
みんなで資材を確認し、丁寧に作業を始めて行く。


作業をしているのは、それぞれ他に専門をもつ隊員たちばかり。
設営に関してはいわば素人の集まりなのだが、
建設のプロフェッショナルも必ず一人はいた。
私たちに細やか、かつ易しく指示をしてくれるので安心して作業ができた。
安全確保にも目を光らせていて、厳しくも暖かい言葉がありがたかった。


完成すると、こうなる。
この赤と白の資材はすでに基地に運び込まれていた。
それらを倉庫から運び出してトラックで運搬し、
順序を確認しながら慎重に連結していく作業が続いた。
資材を梱包していた木枠もみんなで解体した。
数日後のデルタアンテナ立ち上げの際には、みんなで祝杯をあげた。


作業の合間には、「中間食」というおやつタイムがある。
基本的には、10:00と15:00の2回。
主なメニューは、菓子パンと暖かい飲み物。
菓子パンの代わりに、
大福やたいやきなどの日もあった。
飲み物は、ホットレモンや粉末飲料にポットのお湯を注いで作った。

この「中間食」というルール。
空腹を補うというよりは、むしろ、
しっかりと休憩とエネルギーをとる、とか
心身に余裕を保ってがんばりすぎない、
などという、隠れたねらいがありそうだった。

55次隊のみなさんが、今、
真っ先に取り組んでいるミッションは何だろうか。
どのようなミッションであれ、毎日の「中間食」を楽しみつつ、
作業を完遂されることを願っています。

南極

前の記事

昭和基地初日
南極

次の記事

ミッションその2