本質は何か
南極授業が授業であるために10
もうひとつ、
「教材化」をはかる上で留意していることがある。
それは、いつのときも
「本質の見極め」である。
例えば、教材として
昭和基地における「PANSY計画」
を取り上げると決めたら、
その本質は何かを見極めることが大切。
たしかに、
昭和基地で行われているPANSY計画には、
「1000本ものアンテナを立てる」
「南極では世界初の試みである」などなど、
その話題性やインパクトの強さは相当なものがある。![]()
それだけに、ついつい
十分な子ども理解や教材分析がなされないまま
授業の中に取り上げてしまいがち。
しかし、南極授業が授業であるためには、
それだけでは不十分であることは
すでにここまで述べてきた通り。
では、今回のPANSY計画を中心に据えたコンテンツの
本質は何か。
おそらくそれは、
PANSYとは、南極昭和基地大型大気レーダー(PANSYレーダー)のことで、
Program of the Antarctic Syowa MST/IS radar、の略で、
完成すれば南極最大の大型大気レーダーとなって、
これによってブリザードをもたらす極域低気圧のことや、
オゾンホールにも関係する対流圏界面などの研究が進み、
現在は、対流圏と成層圏の空気交換の様子がわかってきており、
将来的には、気候予測の精度向上などが期待されている。。。
などということではないだろう。
こういった側面は、
観測隊の研究者が行う「南極教室」に
譲りたい、いや、譲るべきだと思う。
そもそも、
われわれが「南極授業」で扱うには不可能な領域なのだ。
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