氷の世界とお別れ

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの78回目。
(写真は54次隊のときのもの)

しらせが昭和基地を出発した、と言っても
そこはまだ南極圏。
凍てつく氷の海は、
時にこのような威力を見せつける。


これは、海の分厚い氷に大きな亀裂が入った光景だ。
相当な力が加わっていることはすぐに想像できる。
見ているうちに、
ここで地球が真っ二つに分かれているのではないか、
とさえ思えてくる。
亀裂は、ずっとむこうの水平線まで続いていた。

この亀裂はプレッシャーリッジと呼ばれ、
大きく成長することもある。
いわば地層の断層のようなものだ。


そんな氷の世界でたくましく生きていたのは、
コウテイペンギンたち。
愛嬌たっぷりの彼らだが、
むき出しの地球の中でも負けない強さを兼ね備えている。
以来、私のペンギンを見つめる目が
変わったことは言うまでもない。

前の記事

方向転換

次の記事

ヘリ格納