しらせ座礁のニュース

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの68回目。
(写真は54次隊のときのもの)

前回、「しらせは無事、定着氷域を脱したようだ。」
と書いたばかりだったが、
その後、突然の「しらせ座礁」のニュース。
幸い、座礁からの離脱に成功したようなので、
ひとまずは、安心した。
みんなもきっと元気だと思う。

では、一旦定着氷を脱したしらせに
いったい、何が起こったのか。

しらせは、満載時の喫水の深さ(水面から下の部分)が
10mほどもあるという。
他の船に比べて多く水面下に沈んでいるので
座礁の危険性はそれだけ高いと言えそうだ。
東北の震災時に、救助に向かおうとするしらせを
受け入れることができる港が限られていた、
というのもうなづける。

それにしても、
そんな浅い場所になぜ近づいていたのか、
という疑問は残る。

座礁したのはロシアのマラジョージナヤ基地沖だという。
地図で調べてみると、
昭和基地のすぐ近くだった。

きっと、今後の研究や観測のために
そちらからの上陸方法を模索していたのかもしれない。
燃料などを昭和基地に運んだあとならば、
喫水の深さも少しは浅くなっているだろうから、
うまくいけばぎりぎりまで接岸できるという見通しがあったのだろう。

しかし、その辺りの情報は、
やはり未開の地、南極だけあって、
わからないことだらけだ。

だが、わからないことだらけの中でも、
持っている能力を最大限に発揮して果敢に挑戦し、
目標達成に向けて、
何年かかってでも、
一つ一つハードルをクリヤーしていくのが観測隊。

今回の座礁も、
観測隊らしいファーストアタックだったのかも。

次の記事

地球の果て