昭和基地の郵便局

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの50回目。
(写真は54次隊のときのもの)

野外での活動から久々に昭和基地に戻る。

今回は、その昭和基地内の様子を
バーチャル同行してみたい。


これは町でよく見るおなじみのマーク。
だが、この写真はまぎれもなく昭和基地内のもの。
そう、昭和基地には郵便局があるのだ。
ただし、ここに郵便物が毎日届けられるわけではもちろんない。
ここから郵便物が毎日配達されるわけでもない。

では、ここでは何をしているのか。

実は、「しらせ」が日本を出港するとき、
日本からたくさんのはがきを預かってくる。
その数、数千枚。
そのはがきは、ここ昭和基地郵便局にしっかりと届けられるのだ。

昭和基地で活動する隊員たちも、
時折、ここに来てはがきを投函することができる。
私も、学校の子供たちから預かってきたはがきを
ここにあるポストに投函した。

集まったはがきは、
昭和基地郵便局の局長を命ぜられた隊員が
一枚一枚心を込めて消印を押す。
そして、再びしらせがそれらを日本へと送り届けるのだ。

一年に1往復しかしない特別の郵便。
とてもゆっくりとした特別の郵便。
往復約3万km、地球を3/4周分を旅する特別の郵便。
そんな夢のような郵便局が、
ここ昭和基地内にあるのである。

きっと、今年も55次隊のみなさんに
自分のはがきを託した人もいるだろう。
今頃、そのはがきは、
ここ、昭和基地郵便局の中に届いていることだろう。
それが、4月に手元に戻ってくるのが楽しみだ。

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