トラブル解消

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの48回目。
(写真は54次隊のときのもの)

ベテラン隊員の一言はとても説得力があった。

きっと私たちが、遅れを取り戻そうとして
慌てて作業をするだろうと見抜いていたのかもしれない。
あるいは、
あのときの自分たちには決して自覚できていない
それまでの疲労感を察知していたのかもしれない。

一度、頭を冷やして無理をせず、
いつも冷静な判断で落ち着いて取り組む。
南極では、それが鉄則だと知った。

そのころ、観測小屋からは、
リーダーからの暖かい言葉が無線で入ってきた。
「夕食の準備は整いましたよ〜。」
私たちは、すっかり心の余裕を取り戻し、
一旦、山を降りることにした。

再び山を登り始めたのは、午後8:30頃だったか。
今度は、メンバー7名全員が一緒だった。
新しいアイデアを実行するための電動工具サンダーと、
発電機、燃料を、それぞれ手分けして運び込んだ。


さっそく、作業を再開した。
ベテラン隊員が提案したアイデアは見事うまくいった。
ドリルで新しい穴を開けられないのなら、
まずは、今ある場所にねじだけを取り付けて、
その位置に合わせてパネル側にサンダーで溝をほり、
スライドさせるようにして基台にはめ込むというのだ。


行程を理解したメンバーは、それぞれの役割に没頭した。
発電機を回す者、
パネルを運んで取り付ける者、
サンダーを入れる場所に印をつける者、
サンダーで切り込みを入れる者。。。
作業は時を忘れての総力戦となった。


体力は復活し、気力は充実していた。
集中力も途切れることはなかった。
ペースもみちがえるほどはやくなっていた。
そして何より、
互いのコンビネーションが絶妙に合い始めていた。