沢登り
第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの44回目。
(写真は54次隊のときのもの)
夕食を終えたあと、
沢伝いに、軽く山登りをすることになった。
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ここは「雪鳥沢」という地名だけあって、
小屋の周囲に幾筋かの沢がある。
そのうちのひとつがここ。
上流の水源は、厚く積み重なった氷河だろう。
水は限りなく澄み切っていて、
それが目の前の氷の海に注がれる。
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沢を登り切ると、そこには意外が光景が待っていた。
ある程度の大きさと深さのある池だ。
その奥には、水が滝のように落ちている場所があり、
まだこの先があるようだったが、
このまま直進することはできなかった。
しかたがないので、迂回して先を目指すことにした。
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と、そのとき、
池の底に何やらあやしい影がある、と一人の隊員が指さした。
みんながその周りに集まってきた。
水は限りなく澄んでいるけれど、
風のため水面が波立っていて、
すぐにはそれが何なのかわからない。
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持参していたビデオカメラは防水仕様だったので
それを水の中に沈めて映像をとることを試みた。
そこに映った映像がこれ。
アザラシの死骸だ。
まだ子供らしい。
なぜかここに迷い込んで、海に帰れなくなってしまったのだろう。
水温は2℃前後と低温で、しかも、
分解者となる微生物もほとんど存在しないため、
死んでも腐敗することなくこの姿を保っている。
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