南極バーベキュー

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの43回目。
(写真は54次隊のときのもの)

調査をしていると、
あっという間に一日が過ぎていく。


とは言っても、夜がくるわけではない。
太陽はゆっくりと水平線に向かっていくが、
沈んでしまうことはない。
この写真はおよそ20時ころだったろうか。
日が沈まないので
ずっと気分がハイな感じがしたものだ


しかし、無理は禁物。
時計をみて夕食の時間になると
みんな作業を一度中断し、食事をとって鋭気を養った。
食事係をかって出てくれたチームリーダーが
みんなを無線で呼び集める。
その合図で、方々に観測に出かけていた隊員たちが集まってくる。


この日の食卓は、観測小屋の外で囲んだ。
天候がよく無風で、陽があたっているところはぽかぽかするほど。
そのせいか、みんなの意見が一致して、
せまい小屋の中ではなく、外で夕食をとることになったのだ。
南極でバーベキューというのは意外だった。

ただ、後にも先にも、こんなことができたのはこの日限り。
夜でも陽が沈まないといっても、
ひとたび日陰に入ったり、風が吹いたりすると
体感温度は一気に下がる。
油断は禁物、要注意なのだ。
あのとびっきりの夕食タイムは、
南極経験豊富なチームリーダーの判断があったからこそ、
と今になって思う。

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