年末の暴風
第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの34回目。
(写真は54次隊のときのもの)
あたりまえのことだが、昭和基地でも年末が近づいている。
54次隊では、この年末にブリザード級の強風が吹き荒れた。
12月29日には、最大風速42mをこえた。
昭和基地の天候はどうだろうか。
昭和基地以外、周囲になにもない中で
こんな強風の直撃をうけると、
それはまるで地球の叫びのように思えた。
人間の営みなどに手加減をしない
むき出しの地球がもつ本来のエネルギーを感じ、
味わったことのない恐怖のようなものを味わった。
翌日、強風はなんとかおさまった。
そのあとには、こんな光景があった。
真っ白だった雪面が、灰色になっていたのだ。
強風で舞った周囲の砂埃のせいだ。
今回は降雪がほとんどなく、暴風だけが吹き荒れたのだった。
こうなると、今後、融雪が進む。
白い部分と黒くなった部分の違いは一目瞭然だ。
太陽の熱を吸収してそこだけがとける。
数日後、ある天気がよい日に基地内を歩いていると
こんな模様と出会った。
はじめは、なんでこんな模様になってるの?
誰か、こんな落書きかいたずらをしたの?などと思ったが、
よ〜く見てみると、そういうことだとわかった。
さて、明日は大晦日。
次回は、昭和基地ならではの大晦日について。”