いきぬき

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの32回目。
(写真は54次隊のときのもの)

作業は、ほぼ連日、休みなしで続く。
白夜のため、夜おそくまで仕事に打ち込む人も少なくない。
昭和基地での生活では、
10日に1回程度の「休日日課」というのが設定されるが、
なかなかそうもいかないのが実情。

天候のめぐりあわせから、
天候がよいうちに作業を進めたり、
ヘリオペレーション(ヘリコプターを使った野外観測)の計画から、
優先順位が決まったりするからだ。


そんな中でも、そんな中だからこそ、
週に数回オープンする「バー」は貴重な場だ。
昭和基地には、
隊員たちが自主運営する「バー」がある。
夕食の残り物が主なおつまみだが、
時折、調理隊員が腕をふるってくれる逸品もある。


バーのマスターは、
越冬隊員から選出されている。
なれた手つきで、お好みのものを作ってくれる。
自分でカウンターに入って
適当に作ることもできる。
つまり、何でもあり、ということだ。


使われている氷は、氷山の氷。
およそ1万年前のものと推察される。
グラスを傾けながら、もの思いにふけったり、
隊員との会話を楽しんだりするには
これ以上の雰囲気はない。
23時閉店。

バーに立ち寄る者も、
宿舎で過ごす者も、
それぞれに南極の夜を楽しんでいることだろう。”

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