ラミング
第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの25回目。
(写真は54次隊のときのもの)
定着氷を突き進むしらせは、
しだいに、
1日の航行距離が伸びなくなっていく。
氷の厚さが増していくために、
体当たりをしてもきかなくなってくるのだ。
そんなとき、しらせは、一度止まって、数百メートルほどあともどりをする。
それから再び前進し、勢いをつけて氷に立ち向かっていく。
すると、さっきまでは割れなかった氷が見事に割れ、
その氷を砕きながらしらせは前進していく。
これを、チャージングとか、ラミングという。
54次隊でおよそ1000回、多い隊では2000回ものラミングを繰り返し、
少しずつ、少しずつ南極へと近づくのである。
この日は、めずらしく快晴となり、空には大きな虹の輪がかかった。
ハローだ。
そのラミングの効果も長くは続かない。
最後は、一度のアタックで数十メートルしか進めなくなってしまうのだ。
だが、それは、
昭和基地がもうすぐそこになったことの証でもある。
55次隊の昭和入りもまもなくだ。
54次越冬隊のみなさん、初荷はもうすぐそこ!
というか、もう、着いてる!?”