定着氷を進む

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの24回目。
(写真は54次隊のときのもの)

54次隊では、しらせは、
なんと1日でこの流氷域を通り抜けた。

流氷域を抜ける、ということは、
そこから先は、もう定着氷しかない、ということである。
海一面が凍りついているという信じられないような光景が
ただひたすら続くのだ。
しらせは、この定着氷を、力強く割りながら進んでいく。
氷の厚さは数メートル。
船内には、氷が割れる音がけたたましく響いている。

船尾に行ってみると、そこには
しらせが割り進んできたあとがくっきりとついている。

割れた氷は、すぐにまたくっついて
来た道を閉ざしてしまっている。

誰もよせつけない雰囲気が
いやでも伝わってくる。

ところが、陽が傾き始めると、
あたりの様相は一変する。
夕焼けが、空を真っ赤に染めていくのだ。
極域の夕焼けは、とりわけ赤く染まるのが特徴だ。

その様子に引き込まれて、どのくらいたったろうか。

ふと気がつけば、
いつの間にか、しらせは
すっかり夕日に包まれてしまっていた。

こんな夕日、見たことがなかった。