50年、100年先

南極授業が授業であるために45

「しらせ」が厚い氷で動けない。。。?
地球温暖化なのに。。。?
そのわけとして考えられる予想の3つめ。

予想3 南極大陸の氷が流れてきたからかな

以下、この予想について考えてみたい。

海氷が氷で覆われているのは、
南極大陸の氷がどんどん流れ出てきたからかもしれない。
その予想については、
実際の衛星写真からわかる部分がある。

また、
ときどき、
「南極の氷が全部とけて流れ出したら、
 日本は沈没するのか!?」
などという話題をあちこちで耳にするので、
子ども達には、なんとなくそんなイメージもある。

では、
本当に南極の氷は、このままとけ続けるのだろうか。

それは、目下、研究中であるから、
正確なことはまだ誰にもわからない。

ただ、
たとえ、現在、南極の氷がとけていたとしても、
南極の氷がなくなってしまうまでとけ続けるか、
というと必ずしもそうではないようだ。

とけて流れ出した南極大陸の氷は
海に張り出していき、
棚氷や氷山となって海面を埋め尽くしていく。
やがて、海面は
空から見ると真っ白な板のようなものになる。

すると
鏡が日光を反射した
(黒い紙が日光を吸収した)
あの小学4年の実験のように、
太陽の光は海面で反射され、
海水は暖まることができなくなる。

海水温は再び下がりはじめ、
南極の気温は下がり、
南極大陸の氷の流れ出しは、
そのうち止まってしまう、というのだ。


もちろん、これは仮説の一つに過ぎない。
この仮説を確かめるために、
南極観測隊は、
氷河の流速をGPSで測定したり、
氷を大陸の接点部分まで掘り下げたりして調査している。
その答えは1年や2年で出るものではない。
10年、50年、いや、100年先になるかもしれない。
それでも、
こつこつとデータを積み重ねていくことをやめないのである。

南極授業を通して、
日々の理科の授業への取り組みに
よい影響が出ることがあるとすれば
幸いなことである。”

前の記事

温度と濃さという視点

次の記事

故郷の自然の魅力