風の通り道を感じること
南極授業が授業であるために35
当たり前のことだが、
風車を風上に向けるとよく回る。
その向きがちょっとずれていると、
とたんによく回らなくなる。
そんなときは、
少しずつ向きを調節して、
一番よく回るところを見つけようとする。
そんなことを繰り返しているうちに、
あることに気づかされる。
風車が一番よく回る所は、
つまり、風が吹いてくる方向は、
いつも、ほとんど同じなのだ。
その風が吹いてくる先に目をやってみる。
すると
そこには南極大陸が広がっていた。
南極大陸から吹き下ろされてくる冷たい空気が
こちら昭和基地に流れ込んできているのだ。
いつも、いつも。
ある自然の法則にしたがって。
「風の通り道」というのがあるとすれば、
それはここなんだ、と感じた。
その風のことを
「カタバ風」
というのだが、
そんなことはどうでもいい。
「カタバ風」という言葉をまず知ることよりも
「そのことを(今、感じたそれを)カタバ風という」ってことの方が
大切なこと。
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