南極授業はアウトリーチ活動か
南極授業が授業であるために29
昭和基地に太陽光発電の設備があることは、
いかにも、らしい、ことである。
自然エネルギーを活用したり、
できるだけ環境に負担をかけないようにしたりすることは
極域観測の基本的なスタンスなのだから、
そういうことを世間一般にアウトリーチしていくことは、
意味あることだと思われる。
ただ、
南極授業でそういうことを扱うには、
それだけでは、ちと不十分。
つまり、
それがあまりにも、らしい、ことであるだけに、
子どもにとっての「予定不調和」を引き起こさないのである。
「へえ〜すごいね。やっぱりそうなんだね」
になるのが落ちである。
そこには、
ある仕掛けが必要となってくる。
例えば、
「昭和基地には太陽光パネルがある、
南極には極夜といって太陽が全く昇らない季節があるのに。」
という矛盾が存在しているということだ。
この矛盾の存在が
授業の中で
子どもの本気を引き出すかぎとなる。
わかりやすいアウトリーチ活動だけが目的なら、
こんな矛盾なんかない方が、
いいのだろうけれど。