二人の研究者
南極授業が授業であるために25
遠い南極観測と
我ふるさと富山立山の氷河認定。
そこには意外なつながりがあった。
立山の氷河研究については、
前述の学芸員Iさんが
長年、情熱を注ぎ込んで調査をされてきた経緯があった。
しかし、
立山での観測には常に山岳地域特有の危険が伴い、
何百kgにもなる大型の観測機材を持ち込むことは、
困難なことだった。
そこに、若き研究者Hさんとのタッグが組まれる。
Hさんには、南極越冬の経験があった。
そのとき、南極で使用していた
小型で高性能の機材を持ち込めば
立山での観測も可能なのではないかと考えたのだそうだ。
立山をフィールドとするベテラン研究者と
南極経験のある若き研究者との出会いが、
立山氷河認定の大きなエネルギーとなったのである。
この雪上車にとりつけていた機材を立山でも使用したという
写真提供 H隊員より ”