授業の幕開け

南極授業が授業であるために2

氷が支配している大陸、南極。
最大4000mにも及ぶ厚い氷が、日本の37倍もの面積を覆い尽くしています。
今、ここに世界中の科学者が注目しています。(略)
観測隊は何ヶ月も南極に滞在し、氷の大地に挑んでいます。
その氷の大地で、南極観測隊に同行しながら計り知れない南極の魅力に迫ります。

これは、授業のオープニングの一節である。

私たちは、普段の授業の中で
「授業の幕開け」を意識することが多い。
この授業の離陸を慎重にすることで、
あとは、子供の心に火がついて議論が活発化したり、
思考が深まっていったりするからだ。

反対に、この授業の幕開けにつまづくと、
議論はいっこうに焦点化されず、
本質に触れることなく、
子供たちは新たな概念形成にも至らない、
そういうことを数多く経験してきた。

このオープニング映像は、
そんな「授業の幕開け」を担う
重要なものだと個人的には位置づけている。

授業には、その教科の特質がある。
その教科らしい空気感もある。
そんな教科の味を出せる教師になりたいと
教師なら誰もが思っていることだろう。

では、教科書もない南極の
「南極授業」のもつ持ち味とは何か、
その空気感とは何か。

あの1分間の映像に、
南極初心者である私の精一杯の南極観を込めたつもり。
南極という計り知れない「素材」が、
子供にとっての「教材」となることを願って。”