定着氷縁離脱(vol.118)

しらせは、氷でびっしりと固まった定着氷縁を離脱した。
久しぶりに、海水面を見たという感じ。
これでラミングすることもない。

離脱の直前、ちょうど海を眺めに出た。
おそらくこういう景色はあとわずか、
もしかしたら、あと数時間かもしれない、
いや、あと数分かもしれない、
そんな気配がしていてもたってもいられなくなったからだ。

出てみると、右舷側にはかなり大きな氷山が
これまでに見たこともないくらいのところまで接近していた。
ものすごい迫力だった。

思えば、この南極で見たり、聞いたり、感じたりしたことは
いつも、ものすごい迫力で私の心に迫ってきた。
そんなことをあらためて振り返りながら、
非日常が日常だった南極と徐々に離脱していきそうになる自分。
そんな自分を、この巨大氷山は

最後の最後に食い止めてくれた。