ケルン(vol.112)

昭和基地には、ケルンがある。

一つは、「福島ケルン」と呼ばれる。
第4次観測隊で遭難された福島紳隊員の碑である。
10月10日のことだった。

今日は、ちょうどその10日ということで、
簡略な法要を営ませていただいた。
実家がお寺というだけで
何の修行もしていない私が読経するのは
恐縮の至りであるが、
福島隊員のご冥福と、
今後の越冬のご無事を心から念じさせていただいた。

このあと、参集した隊員たちと記念写真を撮ったが、
それは、家族や親戚が集まるご法事の時の和気あいあいとした光景となんだか重なった。

近くには、南極観測隊最後の樺太犬「ホセ」のケルンがあることを知る。
そこへも立ち寄り、お線香を手向ける。
ホセは、第2次観測隊のときに昭和基地にやってきて、
第17次観測隊のときまで生きていた、”最後の犬”だという。

なお、観測隊とは別に位置づけられているが、
昭和基地の周辺には、もう一つ、「ふじケルン」という石碑があることを付け加えておく。
第15次南極観測隊の支援にあたっていた観測船「ふじ」の乗組員の石碑だそうだ。