SM100型雪上車(vol.100)

「南極兄弟」は今号でちょうど100号となる。
だから、というわけではないが、
今回はSM100型の雪上車が話題。
きっと男の子は、こんな乗り物が大好きだろう。
100号記念ということで
写真をいっぱいのせておきたい。

ひとくちに雪上車といっても
昭和基地や周辺の各拠点には、
小型、中型、大型といろいろなタイプの雪上車がある。

中には、「水に浮く」「天井が開く」という雪上車もある。
海氷上を移動することが多い観測隊だが、
いくら海が凍っていると言っても、その下は海。
万が一にでも、クラックにはまってしまうと大変なことになる。
このタイプの雪上車は、そんな不測の事態にも対処できるよう、
しばらくは「水に浮く」ことができるらしい。
また、「天井が開く」ので上から脱出することもできるらしい。
ルート工作ができるまでは、このような雪上車が力を発揮するのだろう。

反対に、もっとも大きなタイプの雪上車はSM100型と呼ばれる。
近づいてみると、見るからに力強くて、頼もしい。
物資や燃料を載せたそりを引きながら
広い氷原を移動している映像を見たことがある方も多いだろう。
車内には、無線機が設置されていて、
観測器具もぎっしりと詰め込むことができるようになっている。
2段ベットもある。
座席の間にはテーブル代わりにできるスペースもある。
時速は10KMくらいだが、これで、およそ1000km先のドームふじ基地まで行くというから驚きだ。
1ヶ月ほどの間は、食事も、寝泊まりも、このSM100の中となる。

観測隊には、機械・車両を専門とする隊員がいるが、
入念に手入れをされているのがよくわかった。
先日訪れたS17ではSM100のお世話になったのだが、
近くで見ても足回りはぴかぴかだった。

みんなにかわいがられているSM100である。