ラングホブデ雪鳥沢(VOL.76)

昭和基地に近い露岩帯に
ラングホブデというところがある。
中でも、雪鳥沢と呼ばれる一帯は、
南極特別保護地区に指定されている。
そこに2泊3日の行程で出かける。

雪鳥沢は、南極大陸に数%ある露岩帯のひとつ。
夏は、氷が解けた水が清らかに流れる沢がある。
雪鳥という真っ白い小さな鳥が多く生息している。
露岩にはコケ類や地衣類なども力強く生きている。
彼らは雪鳥たちのフンや死骸などから出てくる成分と、
夏の間のわずかな太陽の光を栄養源としているようだ。

ここ南極で比較的生態系が発達していることから
その植生変化を監視するために
長期的モニタリングを継続しているところである。


ここに立つと、
自分も生態系の一部なのだと感じることがある。
同時に、
自分はこの自然の中のどこに位置づけばよいのかわからなくなることがある。
大陸の氷が解けて水になり、
沢になって海へと注ぎ、
海洋へとつながり再び氷となる。
この一連の流れの中のどこにも自分が位置づくことはない。

自分たち人間はどこへ行き、何を目指しているのか。
長期的モニタリングをされているのは
むしろ、私たちの方。”