ブリ対策(vol.68)
南極昭和基地気象台によれば、
明日はブリザードを想定した対応が必要だという。
現在、午後11:30。
にわかに風が強くなってきた。
風速は12mを越えた。
ブリザードのような強風がふくと、
外出注意令、または、外出禁止令が発動する。
今晩のうちに隊員たちは
それぞれの宿舎で1日をすごせるように非常食を確保したり、
明日の朝の人員点呼の要領を確認したりしたところ。
実は、我々隊員は、第一夏宿と第二夏宿というところに分かれて住んでいる。
私の場合は「第2夏宿」の住人なのだが、
そこには水道もトイレもない。
(でも、通常は、約200m離れた「第1夏宿」ですべて済ませるし、
飲料水はポリタンクで常備してあるし、
給湯器があってお湯でお茶やコーヒーも飲めるので
案外、快適である。)
ただ、普段はそれほど不自由がなくても、
天候が荒れると、話は別である。
いつも歩いているわずかな道のりでも危険になるという。
万が一の場合にはしっかりと備えておかなければならない。
その一つがこの通称トラロープ。
もしも屋外にいて吹雪や強風になってしまった場合、
このロープを伝っていけば必ずどこかの宿にたどり着くようになっている。
FA(フィールドアシスタント)隊員がまず設置、確認、補修するのがこれだ。
隊員たちの命綱、ライフロープである。
ちなみに、この写真は、
ほぼ真夜中の12:00に撮影。
最近は毎晩この明るさ。”