ヘルメット(vol.20)

私たち隊員は、
ヘルメット必携である。

今年のヘルメットの色はグリーン。
今次隊のメインロゴと同じだ。

今年の南極観測隊は、
極地における研究のための機材や、
それをささえる設備や燃料、食料など
1100トンの物資を輸送する。
それらを、
しらせの乗組員の方々の力添えを得ながら、
観測隊員も総出で昭和基地へ運びこむ。

とりわけ、
建設作業には、
設営系の専門隊員の指導のもとで
各隊員たちができる作業を受け持つ。

それに備えて設営系隊員たちは、
これまでに数回の
KYK(危険予知活動)訓練を計画してくれた。

これだけ限られた状況で、
なれない作業が多いはずの昭和基地で、
着々とアンテナ群が建てられたり、
最新式のエネルギー棟ができてきたり、
廃棄物の処理などが進んだりした背景には、
設営のリーダーたちの心意気があったことは
想像に難くない。

以前、ある設営系隊員から
こんな一言を掛けられた。
「君たちにけがはさせません」

ヘルメット必携は、
私たち隊員の責任である、
そう強く印象づけられた一言となった。”