風を見た

午後1時50分頃。
掃除が終わって教室に戻ると、
4の1の子どもたちがベランダ向きの窓側に
びっしりと並んで外を眺めていた。

なんだ?もう授業が始まるというのに、行儀が悪い。。。
そう思っている担任に、子どもたちの方から声をかけてきた。

先生、すごいよ、ほら!
外で、落ち葉が舞っている!
下からどんどん巻き上がってきて、きれい!

見ると、窓の外の中庭は
それまで日差しがさすほどの陽気に包まれていたのが
いきなり、強風にさらされていた。
落ち葉が右に左に、上に下にと舞い上がり、
吹雪のようになっていて、
幻想的とも思える光景だった。
子どもたちが窓に並んで釘付けになってしまうのも
うなづけた。

一段落したところで、
5時間目の授業を始めた。
と、その時、
ザー という雨音。
雨のカーテンが一気に押し寄せてきた。
あの落ち葉の舞は、
この雨の到来を予知するプロローグだった。
それだけではなかった。
そこからほぼ同時に
廊下一面の窓が一斉に白く曇り始めた。
外の気温が急激に冷え込んだのだ。

みるみるうちに
好天から強風、そして豪雨、低温と変わる気象現象とは対照的に
教室の中というのは実に快適。

そんな快適な教室の中では、
水蒸気の学習を思い出したり、
「前線の通過」などという気象のお話をしたりして
しばし脱線。

ことの始まりは、午後1時50分頃。
掃除が終わって教室に戻ると、
4の1の子どもたちがベランダ向きの窓側に
びっしりと並んで外を眺めていたことだった。
あの時、
子どもたちは風を見たのかもしれない。