蛹化
カブトムシの様子に変化が見られた。
半透明の容器に入れ、
それに覆いをかぶせて飼育してきた4の1のカブトムシ。
その変化に気付いたのは、
いつも気にかけては覗いていた子たちだった。
「先生、蛹になりかけています」
と勢い勇んでやってきた。
見ると、
大きな幼虫の体の回りに
まるで自分の部屋を作ったかのように
ぽっかりと空間ができていた。
普通なら、決してみることができない光景である。
自然界だったなら、これは、
地下の暗い暗いところで、
ひっそりと、しかし、力強く営まれている生命の神秘である。
それを、あえて、半透明の容器に入れ、
カブトムシたちにとっては、
決して恵まれた環境とは言えない状態にしてきたのは、
まさに、こうした神秘に
私たちが触れるためでもある。
こうした神秘に触れることは、
子どもたちに、
生命を慈しむ心や、自然への畏敬の念を
無条件で抱かせるほどのパワーと魅力をもつ。
このあとも、静かに見守りたい。