新しい仲間

教室に、大きな箱が2つ。
その中に、透明なカプセルが16基。
その底に、大きな幼虫が1匹ずつ。

今朝、3の1に新しい仲間が加わった。
カブトムシの幼虫たちだ。
これまで、お友達のおうちの一角で
大切に育てられてきたことが一目でわかる。

さっそくみんなに紹介しようと、
そっと箱から引き抜いて、
その真っ白い体が見えるように
手を高く伸ばした。

すると、
「だめ、幼虫がかわいそうだよ」
「まぶしいから、早く箱に入れてあげて」
その声に、思わず、手を引っ込めた。
うかつだった。
飼育と野生はいつも紙一重。
気が引き締まる。

これまで、
教室に新しい仲間がやってくるたびに、
「今日から新しい仲間だよ」
「仲良くしてあげようね」などと紹介してきたが、
これからはやめようと思う。

むしろ、
幼虫さんたちから自分の方が
新しい仲間として認めてもらえるようでなければならないのだ。

3の1のみんなに、
そんな謙虚な心構えを教えてもらった日。