もう一つ電球が
双眼実体顕微鏡の中の豆電球を確認したのは昨日だったが、
実際に電球が光ったところを拡大して観察する、
という発想をもらったのは
その後の、放課後の教室のことだった。
それは、残っていた数名の児童との何気ない会話がきっかけだった。
ぜひ、それを、
クラスのみんなでのぞいてみたいと思った。
大型モニターに映し出して、いざ点灯。
「光った、光った」
「フィラメントの、特に真ん中が光ってる」
「光が細くなったり、太くなったりするよ」
いろんな言葉が飛び交う。
その中にこんな言葉があった。
「豆電球の中に、もう一つ電球があるみたい」
あの丸いガラスが光っているわけではない。
ガラスの中にある電気の通り道が光っている。
電気くんが回路を回ってきて、そこで、光くんになっている。
「豆電球の中に、もう一つ電球がある」というこの一言は、
エネルギー変換などという難しい言葉のさすところを
巧みに言い表している、と一人感心。