第55回日本初等理科教育研究会全国大会

第55回日本初等理科教育研究会全国大会が
富山で開催されました。

午前には、生活科、理科の6つの授業が提案され、
それぞれの部会で子どもの姿をもとに活発な議論がなされました。

私が参加した小学校第3学年部会は
「磁石」の単元の学習でした。
自由な試行活動を軸にものと十分にかかわりながら
磁石につくもの、つかないもの、N極やS極があることなどを学んだ子どもたちが
しだいに「磁化」にかかわる部分にふれいていく場面でした。

磁石に鎖状につながるクリップを自慢げに紹介する中で、
(そのクリップは)「そりゃあ、S極についたのはS極になったんだよ」
というつぶやきを契機に
「え?S極につくのはN極だから、クリップはN極じゃないかな?」
「ん?わからなくなってきた」
と小さな疑念の渦が徐々に大きくなっていきました。

新たな問いが生まれた瞬間です。

実は、この仕組みがこれまでよくわからなかったのです。
(今もよくわかっていない)
対話的な学びが大切だと言われる昨今ですが、
その事例として
ある指示によってペアやグループを作って対話をしたり、
あらかじめ提示された問題を対話によって議論したり、
という事例があります。

それも一つの事例でしょう。

しかし、圧倒的に対話の事例の遡上にあがりにくいのが、
この、「問い」を生み出す局面の対話の状況です。
理由は、おそらく簡単です。
新たな「問い」が生まれる局面を
実際の授業で、子どもの姿で再現するのは
なかなか難しいからです。
(簡単ですといいながら、それは難しいからですというのはおかしいが)

ですから、なかなか再現されない局面を扱って実証しようとするより、
指示による対話、提示による対話をまず行い、
その前後で学習者の思考や理解がどの程度深まったかを検証する手法に
ならざるを得ないのだと考えられます。

それで解明される部分は確かにあります。
しかし、新たな問いが生まれるときの「対話」の意味を明らかにしようとするなら、
やはり、
新たな「問い」が生まれる局面を
実際の授業で、子どもの姿で再現して検証するしかないと思っています。

その意味では、
今回の授業提案と子ども達の姿には学ぶべき点が多くありました。
ありがとうございました。