人文字
第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの21回目。
(写真は54次隊のときのもの)
子供の頃、
近くの広場のコンクリートの道ばたに
小石で大きくひまわりの絵を描いた。
小学生の頃、
稲穂がゆれる田んぼの中の運動会で
みんなで手をつないで輪になった。
中学生の頃、
放課後の体育館の部活動で
仲間と隊列を組んで走り続けた。
高校生の頃、
おそろいのジャージを身にまとい
未来の夢を語り合った。
大学生の頃、
同じ道をそれぞれの持ち味で歩もうとする
ライバルたちの存在をうれしく思った。
あれから何十年後。
ぼくはしらせの上で、
54次隊のすばらしき仲間たちと、
おそろいのジャージをはおって、
地球の未来を語りながら、
手を空にむかって高く上げ、
しらせの飛行甲板の広場で、
大きく「54」の人文字を書いていた。
今年、それは
55次隊の方々によって
「55」という数字に受け継がれているはずだ。