あれは夢ではなかったのか(10)(vol.132)

もしかすると、
あれは夢だったのか。。。
つい、そう思ってしまいそうな光景がいくつかある。
それらを書き留めていくシリーズの10回目。
(10)蜂の巣山の実験室

私には、実は私だけの専用の理科室兼実験室がもう一つあった。
それは、蜂の巣山のてっぺん。
蜂の巣山とは、昭和基地のある東オングル島最高峰の山で標高は43.4m。
この理科室兼実験室のよいところはたくさんある。例えば、
カタバ風の通り道があって風力発電の実験にちょうどよい、
視界を遮るものがなく360度見渡せるので、太陽や月の動きを観察しやすい、
夜遅くの沈まない太陽の光をとらえられるので夜の太陽光発電の実験ができる、
迷子石や蜂の巣状に穴のあいた奇岩がたくさんあって観察したくなる など

そして何よりも、眼下に広がる昭和基地と、
凍って固まったまるで絵画のような海や氷山を一望できるあの理科室の光景。

もしかすると、
あれは夢ではなかったのか。。。