PANSYアンテナ(vol.66)

朝から小雪がちらつく。
結局、一日中、ずっと降っていた。

そんな中、
あの「PANSY計画」に携わらせていただくチャンスを得る。
昭和基地に、約1000本のアンテナを設置し、
高度500kmからの情報をキャッチしようという
世界でもあまり例のないとてつもない計画。
もちろん南極では初の試み。

以前から、この1000本のアンテナ群は
どんなところに立てられているのか、
基地内の限られた隊員たちだけの力で
どのように取り組んでいるのか、
興味はつきなかった。

宿舎を出てたのが午前7:45。
宿舎に戻ったのは午後6:45。

今日一日、
アンテナを設置する岩場を、
部材をもって何度も往復し、
慎重に基台の上に立て、
方向を確かめては
ボルトを締めていく。

作業になれてくる反面、
手指の先が冷えてくる。
1時間に立てられる数は数本。

作業に携わった隊員たちはみな、
いつの間にか無言になりつつ
集中しながらアンテナを立てていた。

そんな時、
ふと心にうかんだうた

南極で PANSYアンテナ 立てながら 舞い降る雪を 共にとらえる