第一便(vol.59)
しらせから昭和基地へ
今日、第一便が飛んだ。
この第一便でまず最優先に運ばれるものは
いかにも南極観測隊らしいものだ。
それは、
研究のための機材ではなく、
基地建設のための資材でもない。
越冬している53次隊員一人一人宛ての
家族からの手紙だ。
それに、しらせや54次隊からの
心ばかりのごちそうが添えられる。
南極で越冬したことのある経験者は、
やはりこれが待ち遠しいのだという。
何しろ、
1年以上の長期にわたって、
わずか30人程度で
基地を維持し、観測を継続してきているのである。
そのご苦労は計り知れない。
今日ばかりは、一息ついて家庭のぬくもりを味わっていただきたいものだ。
とはいうものの、実際は、
大量の物資の荷受けや除雪作業などで
昭和基地はもっと忙しくなっている。