空気の対流

今日から卒業式の全体練習。
体育館の外では雪が散らついていた。

そんな寒い体育館では、
在校生が集まって、
大きな声で呼びかけを練習したり、
美しい声で歌を歌ったりした。

休憩の時。
空中に羽毛がふわふわと浮かんでいた。
落ちそうで、なかなか落ちてこない羽毛に、
みんなは視線を集めた。
手を伸ばして取ろうとすればするほど、
その羽毛は、さらに上昇していった。

その動きを見て、子どもたちは言った。
「やっぱり温かい空気は上にいくんだ」
「みんなの体温であたたまった空気が上昇してるから、
 羽毛もその空気に流されてる」
「ほら、向こうの方にいったら、
 こんどは落ちてきてるでしょ。冷えて落ちてくるんだ」

これは、なかなかおもしろそうな実験になりそうだ。
水の対流なら、教科書では「コーヒーの出しがら」などを用いている。
空気の対流なら、「線香のけむり」だろうか。
しかし、
「線香のけむり」は、限られた容器の中を
部屋に見立てて行うもの。
実際の部屋の中の対流を確認するには不向き。

実際の部屋の空気の対流を
よりダイナミックに、視覚的にとらえるには
これ=羽毛がよいのかもしれない。

その分量はどのくらいがよいのか、
どの羽毛が適しているのか、
気温はどのくらいの時がよいのか、
などなど、
この材が教材になる可能性を確かめてみたいと思った。

そう思っているうちに休憩時間が終わった。
体育館では、再び、卒業式の練習が始まった。
漂っていた羽毛は、どこへ行ったかな。