おはようございます×2

朝、担任が教室に入る時、
必ずと言っていいほど、
全体に向かって
「おはようございます」「おはようございます」
と2回言う。

2回言わなければならない理由は、
1回目の「おはようございます」では、
ほとんど返事が返ってこないからである。

そこで、2回目の「おはようございます」を担任は言う。
すると、今度は元気な「おはようございます」が返ってくる。
1回目の「おはようございます」が聞こえていないはずはない。
2回とも、同じように大きな声で言っているからである。

では、なぜ、1回で返事が返ってこないのか。
その原因を子どもたちの中に見出そうと、ずっとしてきた。

しかし、
その原因は、実は、担任の方にあると思うようになった。

その原因、ひとつめ。
それは、「全体に向かって」言っていたこと。
あいさつの基本は、やはり1対1。
それなのに、担任は、誰とも言わず
「全体に向かって」言っていたのである。
これでは、子どもにとっては、
周囲の雑音の一つと同じようなもの。

その原因、ふたつめ。
それは、「大きな声で」言っていたこと。
確かに、教室で挨拶をするのだから
大きな声で言わなくてはいけないのだが、
結局はたった一人にすら伝わっていない。
目の前の一人一人に、
小さくてもしっかりとした声で挨拶をすることの方が
大事なことなのだと思い直した。

朝、担任が教室に入る時は、
目の前の一人に向けて
小さくてもしっかりとした声で
「おはようございます」と言おうと思う。