一大事

朝、登校したての児童玄関で
「先生、先生〜」
と駆け寄る子がいた。
突然の呼び止めに、
思わず、一大事が起こったと思い、近寄って話を聞く。

「今、そこで、学校にくる時に。。。」
と息を切らしながら話し始める。
その様子に、ただならぬものを感じた担任は、
「どうした?何かあったか?ケガでもしたか?」
といろんなことを想像しながら
おそるおそる聞き返す。

「ううん。そうでなくて、今、そこでね。。。」

「そこで、何があったの?」

「今、ちょうどね、まん丸い月が見えたの」

「。。。。。。。」

「そしてね、その反対側にね、ちょうど太陽が昇ってきたの」

「。。。。。。。」

「それが、本当にちょうど反対方向にあって、
 どうしてかなあって。すごいなあって。」

なるほど、それは一大事だ。
普通、月は夜にみられるもの。
それが、朝に、しかも
満月が見られるなんて。
さらに、その反対の方角には、
ちょうど太陽が昇ってきているなんて。
そんなすごいことが、
一大事でないはずがない。

今からちょうど1ヶ月前の10月4日の夕方に、
その反対となるそんな自然のいたずらを目の当たりにして
誰かにその感動を伝えたくなっていた大人が、
確かにいたのだから。