大声援

がんばれ〜
もう少し〜
フレーフレー3番!

教室が、大声援で包まれた。
一体、この声援の先には何があったのか。

それは、一本の風車だった。

これまで風車の力比べに
夢中になって取り組んできた子供たち。
羽が中心に集まっている風車(1番)と
羽を中間に移動させた風車(2番)と
羽が中心から離れたところにある風車(3番)と
どれが一番力持ちなのかが、
子供たちの最も気がかりなことだった。

子供たちは、これまで
各自の手作り風車で実験と記録を重ねてきた。
最初は、
クルクルとよく回るように見える1番の風車が力持ちだろうと考えた。
ところが、その予想と反する事実が、
やがて、子供たちの心をとらえ始めていった。
なんと、
回りにくそうに見える3番の風車がぐいぐいとおもりを巻き上げていくのである。
子供たちの実験では、
どうやら3番が一番力持ちらしい、
というところまで分かりかけていた。

あるグループは110gまで持ち上がったという。
あるグループは280gまで持ち上がったという。
あるグループは500gまで持ち上がったという。

子供たちは、互いの結果を見比べて、
どれが本当の力なのか、真実を確かめたくなっていた。

そこで、教室に1つの風車をセットし、
少し離れたところに扇風機をセットし、
電子上皿天秤とおもり(小石)をセットし、
黒板には記録を書き込んでいく表をセットし、
科学的に事実と向き合い、
科学的に事実を整理していくことにした。

最初に登場したのは1番の風車。
記録90gで、風車の動きが止まった。

続いて登場したのは2番の風車。
記録120gで、風車の動きが止まった。

最後に登場したのは3番の風車。
みんなの期待が一気に高まる。
120gは、軽々と持ち上げた。
130gでも、羽の回転は止まることはなかった。
140gになっても、風車はおもりを何とか持ち上げた。
150g、160g。。。。

1番も2番も3番も、
どれも同じ風の強さを受けている風車であるはずなのに、
そこから生まれる力には、こんなにも違いがあるなんて。

子供たちはカードにこう書いた。
速く回るけど、力がない1番の風車。
遅く回るけど、力がある3番の風車。

がんばれ〜
もう少し〜
フレーフレー3番!

教室が、大声援で包まれた。
この声援の先にあったのは、一本の自作風車だった。
40人の視線が集中していたのは、風車のもつ見えない力だった。
心の辞書に刻まれたのは、エネルギーという新たな概念だった。

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宿題  :日記(11~20)
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