富山大附属小研究全体会 深い学びのある授業には5つの階層が潜む?

 富山大学附属小学校では、2017年6月、新刊「『深い学び』のある授業」(東洋館出版)を世に出しました。副題は、思考の活性化による認識の深まり。子どもが主体的に追究するには真摯な子ども理解と深い教材研究、そして、綿密な授業構想が求められるといいます。全く同感です。

 ただ、研究はこれで終わりではありません。むしろ、ここが新しい出発点となります。この日、私も次の研究に歩み出すための本校恒例の研究全体会におじゃましてきました。

 これに触れつつ、私が主にお話させていただいたのは、「授業に潜む5つの階層」という内容でした。といっても何も新しい授業スタイルがあるというわけではありません。

 授業者として求める授業像は、昔も今も変わりません。子どもが本気になってわくわくしながら創っていく授業です。変わってきたのは、その授業を分析する目です。これは確実に進歩してきています。かつて文字データや音声データだけだった授業記録は、今や写真や動画など映像としても記録されますし、繰り返し見たり重ねたりもできます。文字になりきらなかった動きが動画にしっかり残されていて、あとで振り返ってみて新たな意味づけや解釈がふくらむこともあります。このようにして明らかになってきたのが「5つの階層」というわけです。ただ、まだ未完成な点も多いので、今後、より練り上げていきます。