管理棟の夜

第55次隊の南極観測活動に合わせた
バーチャル同行シリーズの73回目。
(写真は54次隊のときのもの)

昭和基地の管理棟の夜。
みんなが寝静まったあとのサロンで
書棚の中の過去の記録新聞を読んだ。


各隊では、南極昭和基地での生活を
独自の新聞にまとめている。
新聞の届かない南極だが、
この新聞はほぼ毎日欠かさず書き留められる。
そこには、隊員たちの苦労や喜びや寂しさや楽しみが
豊富な知識とたくさんのユーモアを織り交ぜながら綴ってある。

おそらく、担当者が日替わりでかわっているので、
それぞれの紙面には個性があふれていて、
その魅力は、ページをめくる手がとまらなくなるほど。

読んでいる内に、何年も前の観測隊の中に
タイムスリップしたかのような錯覚に浸るのも好きだった。
時折、ページの中に写真がのっていて、
その写真がまさに今自分が座っているこのあたりだったりすると、
ボルテージがまた高くなるのだ。

歴史は一日、一日の積み重ね。
今日もまた、新しい一ページが書き加えられていることだろう。

54次隊の新聞は、54だから「ゴシップ新聞」。
55次隊の新聞は、どんな名前に決まったのかな?”

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