落とし物

落とし物届けますサービス係さんは大忙しである。

「落とし物があれば、いつでも、すぐにお届けします」
と言ってくれているのは、
実に献身的な思いやりのある姿だが、
こんなに毎日、落とし物があっては、
係の子たちも、
自身の善意が真の善意なのかどうかと
自らを疑ってしまうというものだ。

私たちが、落とし物を届けているから、落とし物が減らないのでは?
私たちが、落とし物を届けているから、落とし主も困らないのでは?
私たちが、落とし物を届けているから、落とすことを反省しないのでは?

もし、そうだとしたら、
私たちがしている「落とし物届けますサービス」は、
本当の意味で、その人のためになっていない?
本当の意味で、3の1のためになっていない?

「そんなことはないよ。」

私は、そう大声で言ってあげたい。
落とし物を、落とし主に、
届けてあげるサービスのおかげで、
大事にしていたものが無事手元に戻ってきたり、
物を大事にしなかったことを反省したりすることができた人が、
一人でもいる限り。

連絡
宿題  :漢字の学習
     国語カラーテスト「おもしろいもの、見つけた」
持ち物 :理科のノート
     水泳の用意
     リコーダー
     本の注文(あれば)
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