360度どこを見渡しても海、海、海。
そんなしらせの上を、どこからやってきたのか、
海鳥たちが飛び交う。
クジラドリ、ノドジロクロミズナギドリは、
まず最初に覚えた海鳥たち。
船の横を群れをなしてついてくるマダラフルマカモメ。
船の南下にしたがってナンキョクフルマカモメもやってきた。
白と黒の大きな翼が印象的なのはワタリアホウドリ。
長さが2m以上もあろうかと思われる両翼を
ほとんと羽ばたかせることなく
波の上を滑るように飛んでいる。
今日は、それとよく似たハイイロアホウドリを見て
同室の隊員とともに喜ぶ。
南極圏の海では、誰でも
つい、にわかバードウオッチャーになってしまう。
中でも人気なのはユキドリ。
残念ながら、ほとんどの隊員がまだお目にかかっていない。
このショットは、やはりあのN隊員によるもの。
同隊の鳥博士も「先をこされた」と悔しがっていたっけ。“… 続きを読む...
毎週金曜日はカレーの日。
今日のカレーには、鳥の唐揚げ2個とウインナーに目玉焼きまでついて、
しかも、デザートはスイカ。
お腹いっぱい食べ過ぎないように気をつけて配膳。
午後からは、しらせ大学が開校した。
隊員代表が務める“学長”の訓示のあと、隊長、艦長の祝辞をいただく。
なかなか本格的な、でも、どことなくコミカルなしつらえ。
ただ、講義内容は日本屈指の研究者によるものばかりなので筋金入り。
初日は以下の2つの講義。
「南極昭和基地大型大気レーダー(PANSY)」(宙空圏担当T隊員)
「昭和基地の気象」(気象担当A隊員)
これはお腹いっぱい吸収できるよう気をつけて拝聴。“… 続きを読む...
今日の海洋観測は、
みんな白い息をはきながらの作業となった。
背後には、大小さまざまな氷山が浮かんでいるのが見える。
気温は、ほぼ0℃、海水温はマイナス0.2℃。
水温が下がるにつれて
ノルパックネットにヒットする生物の数は
不思議と増えてくる。
実は、南極海の生態系は
他の温暖な海の生態系と比べて生物量が豊かだと言われている。
その中でも鍵となっているのがオキアミ。
そのオキアミを追ってきたのか、
今日は、クジラが数頭確認された。
ひれの特徴から、ザトウクジラだと教えてもらった。
ゆったりと泳ぎ、豪快に潮を吹くクジラ。
夏の南極海を回遊するクジラたちの
雄大な生き様を見た感じ。“… 続きを読む...
今日、12月5日午前5時55分、南緯55°を通過した。
ここから南極圏となる。
気温は3℃、水温は2.5℃。
この3日間で、
気温は、12℃→7℃→3℃、
水温は、10℃→6℃→2.5℃とぐんぐん下がってきた。
午前9:00頃、海洋観測に取り組んでいるわたしたちの横を
ペンギンたちが泳ぐ姿が確認された。
マカロニペンギンという種類だそうだ。
彼らはまるで南緯55°という南極圏の境目を知り尽くしているかのようだ。
さて、私たちの圏内突入をお祝いしてくれたのか。
それとも、突然の珍客を見物にきたのか。
ペンギンさん、しばらくの間ちょっとお邪魔しますね。
速報!
たった今(12月5日16:30)、初氷山が確認された。
カメラを手に船の右舷に出る。
かすかに霞がかかる中で、それは確かに青く光っていた。
あまりの美しさに、途中でカメラをのぞくのをやめた。
大海原に青く浮かんだ氷山が、
美しい地球のtear dropになりませんように。“… 続きを読む...